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今日はリトルバスターズの10人で空港まで行くことになった。
それというのも、能美が自国に帰省するとのことで全員で見送りをすることになったのだった。
「ついに我らがリトルバスターズも世界進出か…」
「謙吾、意味分からないよ」
俺のギャグに対して真横に立っていた理樹が素早くツッコむ。
相変わらずいい筋をしている。いい相方に恵まれればM-1優勝も夢ではないのではないだろうか。
と、冗談はここまでにしておいて、数日とはいえ能美に会えないのは少し寂しい。しかもこの時期だ。きっとこれからみんなで初詣やら何やらで盛り上がっていくのだろう。その場に一人だけいないというのはどういう気分なのだろう。
…いや、その気持ちは俺が一番理解しているのかもしれないな。意地をはってリトルバスターズの輪から遠ざかろうとしていた自分が。
「ふぅ」
コーヒーを一口飲んだ私は、ほっと一息つく。
いつものお気に入りの場所で、お気に入りのコーヒー。にもかかわらず随分と久しぶりな気がする。
それというのも原因ははっきりしている、リトルバスターズだ。最近の私はどこにいくにも彼らと一緒で、一人になることすら珍しい気がする。全く…私のようなつまらない女と一緒にいて彼らは何が楽しいのか。
そう思いながらも顔がニヤけてしまっている自分に気づいた私は、慌てて顔を引き締める。
危ない危ない…こんな所を理樹君や恭介氏に見られたら厄介だからな。
まぁつまるところ、私にとっても彼らと一緒にいる事は嫌ではない…いや、むしろとても嬉しい。こんな自分を大切にしてくれるあの場所がとても愛しい。…もっとも彼らには口がさけてもこんなことは言わないが。
随分と変わってしまったものだな…私も。
「ま、悪い気はしないがな」
そんな独り言は寒空の下、風にかき消され、誰の耳に入ることもなかった。
彼らといる時間はとても楽しいのは確かなのだが、いつもあのお祭り騒ぎだとさすがに疲れてしまうのも事実だ。つぎのミッションの際に最高に楽しむためにも、今はこうやって一人たそがれるのも悪くない。冬休みの閑散とした裏庭はそういったことにはうってつけだ。
と勝手に自己完結しながら穏やかな風を感じていると…
のっけからハイテンションの恭介に僕は苦笑をする。
それもそのはず、今日は12月24日。クリスマス・イヴなんてリトルバスターズにとって格好のイベントだ。
こんな日に彼…恭介が大人しくなんかしているわけがない。
例年通りクリスマスパーティを開いたと思ったら、開始と同時にフルスロットル。
営業時間の終わった食堂には、まだ他の生徒もちらほらいるが、彼はそんなことお構いなしだ。
僕たちは今駅前のファーストフード店にいる。
恭介の「労働の尊さを知ろう」という思い付きで始まったティッシュ配りのアルバイトだったが、 その恭介の提案によって、鈴の働きっぷりを監視する任務が始まろうとしていた。
労働の尊さは・・・?
「まずはコードネームを発表したいと思う」
「ふむ、恭介氏。「リトル・エージェント」はどうだ?」
「いや、「鬼武者たち」に対抗して「9人の忍」で行こう」
「へっ・・・「マッスル筋肉」これに決まりだぜ!!」
「意味かぶってるから」
ミッション名について議論をする僕たち。ちなみ真人のボケに対する僕のツッコミまでの所要時間は0,3秒だ。常に先読みするのもツッコミには大切だ。
しかしミッション名ねぇ。地味にリトル・エージェントとかはいい線な気がするなぁ。
などと考えていると、恭介がいつものように不敵な笑みを浮かべ、口を開いた。
「フッ。残念だが、もうコードネームは決まっている。最高にイカしたヤツがな」
相変わらず自信満々だ。その自信は一体どこからくるのだろう?
「それは楽しみですっ!!」
「楽しみだよ~」
二人は恭介のタイトルに期待しているみたいだけど・・・
わざとかは知らないが、恭介のネーミングセンスは絶望的だ。
ハッキリ言って期待するだけ無駄だろう。とりあえず僕はいつでもツッコミができるように腰を低く中段の構え(ツッコミ)をとる。
「これだ!!」
声をあげて横断幕を広げる恭介。
いつも思うのだが、その横断幕はどこに隠し持っているんだろう?
「第一回、酸っぱい!?スパイ大作戦!!」
「はい拍手~」
イカスどころか逝かすタイトルに拍手はまばらだった。
ある朝。
またしても恭介がそんなことを言い出した。
そのネタはこの間やったじゃん・・・
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